心理測定法テスト利用のススメ
心理測定法という言葉は「心理的な」、「測定」という単語に由来します。このテストは個人の性格や性質を科学的に測るために考案されました。これを採用プロセスに取り入れることで、応募者が潜在的にどのような会社や組織に適性があるかを見極めることが容易になります。しかし、採用担当者や採用のアナリストが注目すべき点はそれだけではありません。
仕事を効果的にこなす能力は三つの重要な要素:スキルと経験、性格、そして優れた職業道徳で構成されます。仕事への適性を判断する際はこれらの全てを測定する必要があります。
まず、その仕事に必要とされる要素は何でしょうか。心理測定法では、その職種ならではの基準を元にテストを実施します。次に、応募者がどのようなスキルや能力を持っているかを見極めます。
このテストは様々な方法によって、認知能力、記憶力や論理的思考能力、実績をあげる能力や、様々な性質や傾向についての測定が可能です。しかし緻密なテストであるため、実施に当たっては心理学者の関与と莫大な予算が必要です。
また、もし応募者がこのテストについて事前に知っていたり、応募職種に必要なスキルについて知っていた場合は、自然な回答ではなく求められる答えに沿った回答をする可能性があることも念頭におくべきでしょう。結果として、どのような性格テストも面接プロセスの一部でしかないと言えます。
個別の面接の他に応募者のことをより良く知るために
- 明らかに適していない人材はあらかじめスクリーニングする:適正を判断するためのしっかりとした基準を設定する必要があります。
- 第三者機関によるテスト、グループイベント、面接、ロールプレイングなど、可能性のある応募者を選定するための選考の実施:これは上級の役職者の選定や多数の応募者が応募してくる求人で用いられる方法です。
- スキルに応じたテストの実施:履歴書に記載されたスキルが真実かどうかを見極め、業務遂行の上で必要な基本スキルを持っていない人物を除外するために有効な方法です。例えば、一分間で70単語タイプできると主張する人、特定のソフトウェアの使用が可能と主張する人にはそれらの簡単なテストを実施すればそれが事実か判断できます。
- 選考に残したい応募者については、経歴の確認をする:これは推薦文の確認などを指します。履歴書に記載された推薦文からは正確なことが分からないことがあります。当然、応募者は肯定的なコメントをしてくれる推薦文しか記載しませんから、職歴の確認程度に考えた方が良いでしょう。学位や表彰歴、資格なども確認しましょう。
ここで紹介した様な心理測定法やその他テストは主に応募者の候補が絞られたタイミングで実施されるものです。採用側としては、スキルの確認のためだけに200人分のタイピングテストを実施しその費用を払いたくはないでしょう。合否の判断には、一つのテストでは情報不足でしょうから、複数のテストを総合的に判断しますが、実際にはそれでも不十分なこともあるのです。
様々なテスト実施と面接の結果、ようやく相手がどのような人物か、そして会社にどのようなメリットをもたらすかを判断できるようになります。採用側は誰しも冒頭に述べた三つの要素を合わせ持った従業員を確保したいと考えています。このようなテストによってスムーズな採用を進め、入社後に一緒に働く上で有益な情報を得るようにしてはいかがでしょうか。