アセスメントセンター
アセスメントセンターと聞くと、何やら審査員が採点をするようなテレビ番組を連想されるかもしれません。でも実は、アセスメントセンターというのは、優秀な候補者を同時に審査する場合に使われる優れたシステムなのです。
様々な役職にマッチする人材が求められる現代、アセスメントセンター方式は成功を収める鍵となるか考えてみたいと思います。
あなたがIT職に応募しているシーンを想像してみてください。日常生活での問題解決を想定したケースが課題として与えられます。あるいはカスタマーリレーションシップ力を試されるべく、不満を抱えた顧客対応が求められます。イメージが湧きますでしょうか。
アセスメントセンター方式ではあなたがその役職に適合しているか、そして、長期的にどの分野を強化していくべきかを特定するため様々な分野のテストを行います。「センター」という言葉が含まれていますが、様々な能力を審査するテストを相互参照するシステムの総称です。
正しい結果を出すために特別に訓練された、効果的な採用の実績を持つプロによって行われます。例えば、プロのリクルーターや心理学者などが当たります。
アセスメントセンター方式の特徴として、現実を想定した複数の人材の同時審査、という面があります。これはもともと特定の能力が求められる国防関係の職員の採用で用いられていました。
それが50年代、60年代、70年代に、企業の採用に用いられるようになりました。方法や手順は改善が重ねられ、応募者の絞り込みや、客観的な人材選出に用いる企業もあります。
企業側は自社の求める人材を選考基準として、アセスメントセンターを用いています。その選考基準は、例えば顧客志向、チームプレイ、コミュニケーション、リーダーシップなどです。
一流の企業にとっては、優秀な社員をベンチマークし基準とすることによって特定のスキルをすでに把握しているので、簡単な作業となります。一方、スタートアップ企業にとっては膨大な計画と調査を要するため、難しい作業となります。
テストに関する情報は、事前に応募者に提供されます。それにより、応募者は不測の事態が起きず能力を最大限に発揮できます。能力の有無に関わらず、応募者は平等にスキルを発揮する機会を与えられるべきです。アセスメントセンター方式での検討は数時間で終了しますが、中にはもっと長いものもあります。
アセスメントセンター方式には、グループディスカッション、ロールプレイング、構造化面接などがあります。グループディスカッションでは応募者同士のやりとりから、リーダーシップの傾向が確認されます。ロールプレイングではチームプレイの能力が確認できます。これは能力と思考のテストでもあります。構造化面接ではパネルを使った質問を受けます。審査員チームは、同一の基準に基づく尺度で応募者それぞれの能力を図ります。
なぜアセスメントセンターテストが実施されるのか?
・応募者は実際の業務を想定したシーンに直面し、業務でのパフォーマンスを想定することができる
・応募者が実際の業務をイメージすることができる
・応募者は平等な機会が与えられ、同一の基準で審査される
・企業にとっては適切な人材を選出することができるため、費用削減になる
・公正なプロセスであるため、参加者にとって納得感がある
・研修の計画に重要な包括的フィードバックを得ることができる
欠点
本領を発揮できないと選考に残れない可能性があります。一部には、たったの1時間の面接しかないため公平でないと感じる人もいるでしょう。応募者のパフォーマンスは目の前のタスクによって大きく影響されるのです。
とは言え、アセスメントセンター方式は通常の面接とは違う方法で、人材選出における有効な方法であることが証明されています。